Japanese

不安の核心に迫れない ― デイトレーダーが感じた「AIの限界」

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市場絶好調の中で被った損失

10月に入ってからも
日経平均株価は上昇を続け、
10月3日の終値は45,769.50円と
再び最高値を更新しました。

しかし、そんな絶好の相場環境にも拘らず、
私は銘柄選択を誤り、再上場直後の
ソニーフィナンシャルホールディングスに
拘った結果、大きな損失を出してしまいました。

この銘柄の分析は別の記事に譲るとして、
今回はそのとき私が感じた
「不安」や「自己否定感」を
AIに相談した際の体験を通じて、
AIの限界と、人の経験に基づく
情報の価値を考えたいと思います。

AIの驚異的な力 ― 計算と分析の領域では超人的

AIの進化は目覚ましく、
特に計算力と分析力においては
人間を遥かに凌駕しています。

膨大な過去のデータを一瞬で解析し、
その結果をわかりやすく表示する能力は、
もはや人間を遥かに超えています。

私自身、トレードの
リスクシミュレーションに
AIを活用することがありますが、
その情報処理能力とスピードは
本当に頼もしいと感じています。

AIは過去のデータに基づいて
法則を導き出すことは得意です。

しかし、人間の心理面に基づく
的確なアドバイスは、現時点では、
その経験をしたことがある人間にしか
導き出せないと感じています。

AIコーチングの限界 ― 感情の核心には触れられない

損失を出した後、私は大手企業の
AIに自分の不安について相談しました。

しかし、返ってきたのは、

・資金管理の徹底
・ルールの再確認
・運動や休息によるメンタルリセット

といった、極めて「一般的」な助言で、
私はどこか違和感を感じました。

その言葉は正論ではあっても、
私の心理状態を改善させる
内容ではありませんでした。

私が本当に欲しかったのは、
“不安を感じている自分”を
立て直す言葉でした。

AIは私の不安を、
「理解する」ことはできても、
「感じ取る」ことはできません。

この差こそが、現時点における
AIコーチングの限界だと思います。

感情の浄化 ― 八木仁平さんの言葉に救われた瞬間

不安を抱えた私は、
その後いくつかの動画を見ていました。

その中で心に響いたのが、
八木仁平さんのYouTube動画
「【やりたいことで生きたい人必見】人生を台無しにする5つのものと縁を切って自分の人生を生きる方法」でした。

特に [16分45秒頃〜] 語られる
「安心するな。不安になれ。不安を愛せ。」
「やりたいことで生きるっていうのは不安なんだよ。」

という言葉でした。

八木さんが語った
以下の話を聞いたとき、
初めて心の靄が晴れたような
感覚になりました。

その言葉には、
“人間の経験から生まれた力強さと説得力”
がありました。

やりたいことで生きていけるのか不安なのは、
本当の人生を生き始めたということだ。

正しい道に進んでいるぞ。
その不安を愛するタイミングだ。

その不安を受け入れたうえで、
本当にネガティブな結果が訪れないように
やりたいことに向かって成長していく。

やりたいことで生きられる力を手に入れるのか?
そこと真剣に向き合うタイミングが
来ているっていうことなんですよ。


八木仁平さんについては、以前投稿した

「内向的だからこそ見えた道 ー 演じてきた20年と、辿り着いた本当の自分ー」

という執筆したこちらの記事でも
紹介していますので、
よかったらご覧ください。

心理面の相談をした際の
AIの回答は、一般的な正解であり、
心のケアにはなりません。

AIが示すのは「模範解答」、
人間が与えるのは「心理ケア」。

だからこそ、
実際に経験した人の言葉は、
心を癒せるのだと思います。

根源的な問いへの応答 ― AIは“事実”で止まる

また、あるとき私は、AIに別の不安を問いかけました。

「人は死んだらどこに行くのか?」

AIの返答は、
「物質の循環」「哲学的な類型」など、
よく整理されたものではありました。

しかし、そこには
“私という存在が消える不安”
への回答は、ありませんでした。

AIは問いの構造を
解析することはできます。

けれども、人間からの
特に感情面における問いの
本質を理解することは
まだ不十分です。

それが、現時点での
AIの限界だと感じます。

不安との向き合い方~仏教の教え

私は、信仰している
宗教はありませんが、
人生の大事な教えは
あると思っています。

自分にあう内容は、積極的に
取り入れようという考えです。

先程の「死への不安」に対する、
印象的な回答を見つけたのは、
「努力」よりずっと大切なのは「決断すること」【仏教の教え】
という菊谷隆太さんのYouTube動画でした。

特に[20分10秒頃〜] に語られる内容です。

少し長いですが、
不安の捉え方として
大変大事な考え方だと思い
引用させていただきます。

癌が怖い、災害が怖い、犯罪が怖いって
言ってますけど、根本的には
死んでいかなきゃならないという
一大事を抱えている、

その人間存在が問題なんです。

それで仏教はこれを
「生死の一大事」と言われるんですけども、
その「生死の一大事」を解決する
っていうことはどういうことかというと、
「死が全く問題にならない幸せの世界に出る」
ということです。

生きてよし、死んでまたよし。
いつ死でも人生後悔なしという
心からの満足、安心。

これを仏教では、
「無碍の一道」
(むげのいちどう)

と言います。

「念仏者は無碍の一道なり」という
親鸞聖人のお言葉があります。
「無碍の一道」というのは、
「障りがなくなった絶対の世界」
ということですけども、
この「障り」というのは、
死ぬという大問題も邪魔にならなくなった。

いま死ぬとなっても崩れることのない満足。

そういう幸せを「無碍の一道」というんですね。

死ななくなることはできませんけども、
「いつ死の地雷を踏んでも、我が人生満足だ」と、
こう言える幸せですね。


これを「無碍の一道」と言います。

死が来ても崩れない幸せ。

これを「生死の一大事」の解決といい
「無碍の一道」というんですね。

この身になることが人間に生まれてきた目的ですよ。

どんなにお金があっても、
地位や名声があっても、
死に向かって進む人生は不安ですよ。
その一歩一歩が不安ですよ。

その死の問題が解決してこそ、
真に心から明るい人生になるんですよと。

こう教えられているのが
仏教の教えなんだということですね。

仏教ではこの「無碍の一道」という
人生の目的を果たした時に
今まで頑張って生きてきたのは、
この身になるためだったのかと。

真に報われる人生になるんですよ
ということが教えられています。

生きる苦労は絶えませんけれども、
流した涙の一滴一滴が

真珠の玉となって戻る時だと
言われてるのがこの

「無碍の一道」の世界に出た
その時なんですね。

現在のAIの課題と今後

現時点のAIは、人の感情も
「解決すべき問題」として
処理する傾向が強く、
今回の私の不安感に対しても
取り払うべきものとして、
アドバイスが提供されました。

しかし、不安は本来、
完全に消すことなどできない
人間の自然な感情です。

不安をなくそうとするのは、
「息をするな」と言うのと
同じくらい「不可能なこと」だと
敬愛するYouTuberの
動画から理解しました。

だからこそ、本当に必要なのは、
不安を否定することではなく、
不安と共に生きる方法を見つけること。

不安が自分にもたらす
メッセージの裏側を理解すること。

そうした、「不安と共存するマインドセット」や
「不安がもたらすサインの考察」など、
その感情を経験したことがある
人間ならではの発想も可能になった時、
AIは初めて、本当の意味で
”人間に寄り添える存在”になると思います。

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MWH|Mrs. Watanabe’s Husband
MWH|Mrs. Watanabe’s Husband
内向的マッチョトレーダー
筋トレと投資で人生を立て直す40代サラリーマン。 クラシックフィジーク大会出場&株式トレードの両立に奮闘中。 Saving M&M=「筋肉とお金、どちらも育て、守り抜く」ブログです。 社会人20年でたどり着いた働き方や休み方の本音をシェアしています。 気合いと根性では続かない時代。だから“積み重ね”が最強です。

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